美の巨人たち 11月17日 川瀬巴水「東京二十景」 テレ東 土曜夜 10時
出典:http://www.tv-tokyo.co.jp/kyojin/
川瀬巴水「東京二十景」
歌川広重『名所江戸百景』から70年後に描かれた“昭和の広重”川瀬巴水(かわせはすい)作『東京二十景』。
大判の版画全20枚にわたり大正から昭和初期の東京を描いた連作です。
瑞々しく生き生きと…町とそこに暮らす人々の喜怒哀楽が見えてくる巴水の版画。
美しさの秘密は30を超す多色摺り。そして浮世絵では使わない驚きの技法が!
未曽有の大災害、関東大震災から蘇ろうとする故郷“涙で滲んだ東京”に込めた巴水の願いとは?
番組内容
今回の作品『東京二十景』は、大正から昭和にかけて変貌する東京を描いた、全20枚にわたる大判の版画の連作。
歌川広重『名所江戸百景』から70年後の作品です。
上野の春、夏の多摩川、秋の荒川、冬の月島…。
懐かしくも美しい町の記憶。
必ずしも名所を描いているわけではありません。
平凡な、何気ない情景です。
作者は“昭和の広重”と呼ばれた版画家・川瀬巴水(かわせはすい)。
洋画を学んだのち日本画家・鏑木清方に入門。
同門の先輩・伊東深水の美しい版画に刺激を受け、版画の道へと進みました。
瑞々しく生き生きと…。町と、そこに暮らす人々の喜怒哀楽が見えてくる巴水の『東京二十景』。
その美しさの秘密のひとつが多色摺り。
たった1枚の版画に、なんと30を超す色数が使われています。
さらに浮世絵では使わないある技法が用いられていました。
驚きの効果があるその技とは?
そしてなぜ『東京二十景』は生まれたのか?
そこには、あの関東大震災が。
巴水は未曽有の大災害から逞しく蘇ろうとする町と人々の姿…
“涙で滲んだ東京”を描いたのです。
川瀬巴水が故郷に込めた、万感の思いに迫ります。
次回
2018.11.24放送
ピエール・ボナール「黄昏(クロッケーの試合)」
『黄昏』はピエール・ボナールが25歳の時に描いた油彩画。
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浮世絵に強く影響を受け誕生したこの絵の「10の平面」と「黄昏の強烈な陽の光」が織り成す驚くべき画面構成、未だかつて無い絵画の世界とは?